アイドル君からダイエット命令
第1章 憧れ
廊下で騒ぐ男子。
みんなカッコイイなぁ。
教室で騒ぐ女子。
みんなカワイイなぁ。
そう、
人気があって
堂々と笑えるのは
カワイくて
カッコイイ人だけ。
私のようにブスなやつは
周りのことばかり
気にして笑えない。
教室の隅にちょこんと
座る女の子。
私は助けを求めるように
その子のところへ
足を運ぶ。
その子は私と同じように
地味で笑えない子。
だから今も
本を読んで周りと
溶け込めないでいる。
「直子ちゃん〜…」
私は本を読んだままの
直子ちゃんの左肩に
両手をついてしゃがんだ。
「ん、どうしたの、
美帆。」