男気花飾り。
第23章 桜色ニットで春を待つ!
「あの時…ファミレスで…ご飯食べてたの…“俺”です…
すみません…騙すつもりは…なかったんです…
でも…ややこしくなりそうで…黙ってました…」
ピクンっと…真さんの体が動いたのを感じた…
「……え…え?は?」
動揺する…真さんを…ゆっくり体を起こしてみると…
ちょっと…後ずさりして…る?
「雅さんは……女性…だったの?」
「いえ…男子です…」
あれ?また…後ずさり…?
「えええ…なんで?」
俺は…また…頭を下げ…
「理解不能とは思いますが…【女装】が…趣味で……
あの日は…妹と…買い物に…」
ガタガタ……
真さんは…パニック…
「はぁ?【女装】?あれが?あれは…女の子だったぞ?」
「……その台詞…空が聞いたら…喜びます…」
「…いっぺんに理解してくれとは…言わねーよ…
真にぃ…
雅の趣味を含めて…俺は…雅が好きなんだ…」
寺の…優しい声…
やっぱり……真さんと…寺の声は似ていたが…
寺の声だけが―――…
俺を救ってくれる―――…