男気花飾り。
第5章 スニーカーの紐。
雅は、あの後…ショッピングを楽しんだ…
無理矢理楽しんだのか…
心から楽しんでいたのかは…
俺には…解らない
でも、楽しそうに服を買う雅を…見てて…俺は…楽しかった…
嫌な体験で始まった買い物…
やっぱり…最後は…いい思い出にしたい…
雅には…笑ってて…欲しい…
「ニット、プレゼントしてやるよ」
あの、欲しがっていたニットを手に取り…色を選び…
レジに持って行った…
雅は、申し訳なさそうな顔をしてた…
『こちら、セール除外品ですが、よろしいですか?』
と、店員のお姉さんが教えてくれた…
「これが気に入っているみたいなので…構いません…」
店員さんは、ニコッと笑って…
『あの、彼女さんにプレゼントですか?
ものすごく可愛いですね。
彼氏からプレゼントだなんて…うらやましい』
俺は…なんて答えたらいいか解らなかったが――…
“彼女さん”のフレーズに……違和感もなく、不快感もなく…受け入れられた…