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陽だまりの仮面 -嘘-

第5章 キラキラ

花木君の直ぐ後を追ったつもりだったのに、廊下にも階段にも彼の姿は既に無くて。


ほーぅ…結構、歩くの速いんだ?


いつも椅子に座ってるとこしか見た事がなかったあたし。


昨日から急に始まった、恋人ごっこで花木君と一気に急接近したけれど

こうして、10年も片想いして来た癖に、彼の知らなかった事や見えてなかった事が1つづつ知れるって



何だか、嬉しいかも。



なんて思うと、自然と顔もニヤニヤ。


今にも鼻歌でも奏でようかと思うくらいのルンルン気分で、彼が指定した図書室の前へ到着。



……居るよね?



ドアノブに手を掛けて、開けようとした時―――




「琉愛ちゃん」




へ?




突然、背後から声を掛けられて。

ビックリして思わず肩がビクッと跳ねる。


振り向くと、そこには全然知らない男子が立っていて



「ごめん、驚かせたみたいだね?」



苦笑してた。




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