陽だまりの仮面 -嘘-
第17章 陽だまりの中で・・・・
さっきの
一瞬、触れただけのキスとは違い。
体感にすると、1時間は触れてるんじゃないか?!
って思ってしまうけれど、実際は、何十秒な世界なんだろう。
でも、明らかにさっきよりは全然長いキスが落され
息苦しい…。
長いキスが落された後、一旦、唇は離れるけれど、また、直ぐに花木君の唇はあたしの唇に舞い戻り
あたしに、温もりを伝え続ける。
その間、終始ドキドキは当然変わらないけれど
不思議と、聴覚を研ぎ済ませる余裕…というのか、何というのか。
花木君とキスをしながら、全然余裕はないハズなんだけれど
向かいの校舎から、授業中誰かを怒ってる先生の声や
グラウンドから聞こえてくる、笛の音。
生徒達の、声援。
そんな、周りの様子が不思議と聴き取れる。
当然
自分のバクバク状態の心臓音も、しっかりと。
だけど、聴覚と同じで、あたしの思考も何故か余裕なのか
キスをしながら、脳内、色んな事を考える。
あ…数学の先生、また怒鳴ってる。
体育、バレーなのかな?
息って…鼻でするんだよね?!
キス……長くね?!!
てか…花木君の唇……柔らかいな…
とか。
色んな思考を巡らせながら、長いキスを何度も落す花木君の様子が少し気になり
うっすら、すこーしだけ片目を開けて花木君を見てみれば
当たり前。
もんの凄く近くに、花木君の顔がそこにはあって。
眼鏡無しの綺麗な、長い睫毛の目を綴じて、あたしにキスをする花木君の顔に、見てしまった事を、後悔。
無駄に、あたしの鼓動を速めてしまった。
その、瞬間
――――――ンッ?!!!!!!