君に恋した冬
第4章 歪む心
『どうして、大智くんを知ってるんですか?』
もしかしたら知り合いだったのかと
一瞬不安になったが
「昨日ずっとそいつの名前呼んでたから」
ピアスの言葉にひとまず安堵する
いや、知り合いだったところで
もう大智には合わす顔がない
また落ち込んでしまう
自業自得なのに…
「で、彼氏?」
『…違います』
ピアスは僅かに口角を上げて
「もしかして、フられた相手?」
ドキッとした
なんだか全てを見透かされているようで
いよいよ冗談抜きで居心地が悪くなってくる
『…どうしてそう思うんですか』