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君に恋した冬

第4章 歪む心






「ん」



差し出されたマグカップを受け取り
ほんのり苦い香りが由梨の鼻をくすぐる


一口飲むと、ざわついた心が少し落ち着いた



「そんなとこ立ってないで
そこ、座れよ」



促されたオットマンの上に腰かける




「…」



『…』





気まずい沈黙が流れる





居心地の悪さに、ただコーヒーを啜って
誤魔化すしか居ようのない由梨に
不意にピアスが口を開いた




「大智くんって、彼氏?」



『え!?』



あまりの唐突な質問に慌てて
カップを落としそうになる




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