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君に恋した冬

第4章 歪む心





「ふーん。俺はアキラ」


ふーん。と返してやりたくなるが
ぐっとこらえて


『そうですか。』




「…」



『…』




また沈黙が流れる


今度はあまり居心地の悪さを
感じさせるものではなかった




少しの間お互いに黙って
クリスマスの静かな朝を感じていた


「由梨」



不意に名前を呼ばれてドキッとする



『なんですか?』



「ちょっと来い」




短く言って先ほど由梨が寝かされていた部屋へ
スタスタと歩いて行ってしまう




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