君に恋した冬
第5章 新しい生活
「昨日あんだけ血だらけになってて、
絶対痛いだけだし、今度するときは
最高に気持ちよくしてやりたい。
だから今はしねぇ。治ったらな」
その言葉を嬉しいと感じてしまった由梨は
自分自身がよくわからなかった
連絡先を交換し、次の日の朝
家の近くまで送ってもらいそのまま別れた
『寒…』
まだ朝も早い時間で、
少し霧がかったような景色に余計に寒さを覚える
身震いしながら両手で自身をギュッとしながら
家まで歩いていると意外な人物が
家の前に立っていた
あまりのことに驚いて、一瞬逃げようかと
考えた矢先に、その人物が由梨に気付き
「由梨!!」
『大智くん…?』
後ろめたさから目を合わせられない