君に恋した冬
第1章 受験シーズン
次の日、由梨は目を腫らしながら
登校したのは言うまでもない。
「由梨ちゃん、その目!
どうしたの?何かあったの?」
『加奈子ちゃん…』
小学校の時からずっと親友だった加奈子は
由梨が大智に10年以上片思いをしてる事を
唯一知っている存在だった。
「もしかして、大智くんの事?」
何も言えずにうつむいていると
その様子をみて
全てを悟った加奈子は
由梨をぎゅっと抱きしめて
静かに頭を撫でてくれた
『加奈子ちゃん…私、もう忘れたい…』
それだけ言って、また由梨は
とめどなく涙を流した