君に恋した冬
第6章 高校生編スタート
ぐるぐると黒いものが由梨の心を染めていく
好きで付き合った訳じゃない…って
じゃあ私は何のために
身体を男に許して、汚れて
あなたを忘れる努力をしたの…?
好きで付き合った訳じゃない…
好きで付き合った訳じゃない…
その言葉が頭の中を何往復もする
私は、汚れる必要は無かったって事?
忘れる必要は無かったって事?
ずっと好きでいても良かったって事?
しばらく考え込む由梨に、
大智はさらに言葉を続けた
「俺、本当はずっと由梨が好きだった」
頭を鈍器で殴られたような感覚が由梨を襲う
ずっと欲しかった言葉
それを今貰ったのに、受け取ることが出来ない自分
ずっと由梨が好きだった…?
『ちょっと待って、意味が…』