君に恋した冬
第7章 大事なもの
ぐったりとそのままアキラに
しなだれかかる
アキラは由梨の背中に腕をまわし
優しくさすっている
お互いにまだ余韻に浸っていて
はぁはぁと悩ましい吐息を洩らす
『アキラ…』
「ん?」
『なんか、すごかったね、今日』
恥ずかしくて赤くなった頬を
手で隠しながらニッコリ笑う
「由梨がいつもより可愛かったから」
そう言って頬を隠した手を取り
そのまま引き寄せてキスをする
チュっとリップ音を立ててから
「だから我慢できなかった」
アキラもニッと少年っぽく笑う
ああ…この時間が好き…
離さないって言ってくれた…
まだしばらくは、アキラに頼っても
いいのかな…?
そんな事を思いながら由梨は
アキラの腕の中で静かにその時間を
噛みしめていた