君に恋した冬
第8章 乱れる関係
『まずはタイムカードをきってください。
自分の名前が書いてあるカードをこの機械に通して…』
嫌々ながらも感じの悪い新人を教育する
『わかりましたか?』
「…」
この人、いつまで無視するつもり!?
かなりの苛立ちを覚えながら次の指導に移る
丁度夕方から客足が増え混み出す時間帯で
由梨は教えながら接客をする
『304のお部屋へどうぞ。ごゆっくり』
斜め後ろに浅井が立って見ており、
その視線すらもイライラさせた
なんで私がこんなこと…
「あのさ」
ビクッと全身が震える
『え、もしかして声に出てました!?』
「は?」
どうやら違ったようで、恥ずかしくなり話を逸らす
『いえ、なんでも…それよりどうかしましたか?』