君に恋した冬
第10章 一筋の光
この何でも見透かした様な雰囲気…
『嘘じゃない』
「嘘だね。目は泣いてる」
気付けば涙で滲んで前がよく見えない
『どうして…泣かすの』
「…」
『我慢してたのに…ずっと…我慢…』
「我慢しなくていいから」
ふわっと優しく頭を抱かれ
浅井の胸に頭をつけられる
「泣けば?しんどいでしょ。我慢。」
トントンと優しく背中をさすられる
『ううぅ…うわぁぁん』
ずっと堪えていた苦しみを一気に吐き出すかのように
大声で子供みたいに泣き喚いた
「変な泣き方」
浅井は子供をあやすように
小さく笑って頭を撫で続けた
アキラ…
浅井の腕の中で泣いているのに
何故かアキラを思い浮かべていた