君に恋した冬
第11章 裏切り
「由梨はそんな女じゃないよ。少し不器用なだけ」
『は…?』
「って、歩美が言ってた」
歩美…
へぇ…下の名前で呼び合う仲なんだ…
なんでカチンときてるのか
由梨自身よくわからないが
とても面白くなかった
「でも、俺も白川さん見ててそう思った」
『そう。それはどうも』
「何?なんかキレてる?」
『別に。キレてません。』
どう見たって何かに拗ねた様な態度で否定する
「じゃあ謝るから。な?機嫌直せよ」
『別に気にしてません』
「あっそ。じゃあ謝らない」
『何よそれ!』
ぷっと吹き出して笑ってしまった
「…」
『どうしたの?』
急に黙りこくる浅井に少し態度が大きすぎたかと
心配し不安な顔をすると
「やっと笑った」
ふわっと笑う浅井の顔は
すごく優しくて、懐かしい感じがした
ドキンッ…
やだ…何ドキドキしてるの…私…
「初めて白川さんが笑ってるとこ見たけど、
泣いたり怒ったりもいいけど、笑ってる方がいいよ」
ドキンッ…
顔が一気に熱くなる
『え…?えっと…』
熱のせいだよね?等と自分を誤魔化す
「その方がまだマシに見える」
え…?