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加奈子ちゃんが、ずっと大智くんを…？



「本当は気付いていたんじゃないの？
気付いててわざと、ずっとあたしに相談してきてたんじゃないの？」


尚も加奈子は怒りの表情を崩さない


『気付いていたなんて…そんな…』




「私はずっとあんたが邪魔で嫌いだった」




『…！』



思わず口元を手で覆う
ショックのあまり、瞬きをするのも忘れ
どことなく身体が小刻みに震える



「ねぇ。大智くんはずっとあんたを好きだった。あの時は気付いてなかったでしょう？」


『う…ん。思いもしなかった…』


震える声を必死に抑えて返事をする

この間、大智はただ俯いていて一言も発さず
浅井は由梨を見つめていた



「私が言わさないようにしてたのよ。」



『…え…？』


「あんたと大智くんがくっつかないように、
ずっと私が裏で手を回していたの。」


衝撃的な事実が次々と加奈子の口から暴露されていく



「大智くんがあんたを好きなことも知ってた。
でも私はそれが許せなくて、私を見て欲しくて
ずっと大智くんに嘘を教えていた」


『…っ』



目頭がジンと重くなる



「由梨はあの男の子と付き合っている。
なのにあなたにまで手を出そうとしている。
だから辞めた方がいいってね。」


ポロッとこぼれた一粒の涙が床に染みを作る



「もし由梨の気を引きたいのなら、
違う女の子と付き合ってみたらどうかとも言ったわ」



もう…聞きたくない…



「大智くんと別の高校にあんたを誘って、私が落ちたのもわざとよ。
あんたと一緒じゃいつまで経っても大智くんは私を見てくれない」



もうやめて…



「あんたと大智くんの距離が開いた頃に、
私達は連絡を取り合ったの」