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君に恋した冬

第13章 少しずつ





「そろそろ寝るか?」



そう言われてみれば、先程から少しうとうとし始めていた由梨は黙ってその言葉に従った





アキラのシングルベッドに2人でくっついて横になる
自分の首もとに回されたアキラの腕に頭を預け
ギュッと抱き締められる


『アキラ…?どうしたの…?』


思い切って上目遣いで訊いてみる


アキラは少しの間を置いて


「今日1日、俺の言う事聞くって約束
日付変わったけどまだ使っていい?」


『…?うん…』



ドキドキと高鳴る心臓を抑えてアキラの言葉を待つ




「身体痛いのはわかってる。
さっきも頭割れるって言ってたし体調悪いのもわかってる。」


『…?』


アキラの熱い視線と由梨の視線が絡み合う



「でも…由梨が欲しい」



かあっと頬が赤く染まるのが自分でもわかるくらい
一気に体温が上昇した


由梨は何て返事をしていいのかわからず
目線を逸らしてコクリと小さく頷くので精一杯だった


「由梨…こっち向いて」


その言葉にゆっくりと顔を上げる


目は少し潤んでいて、頬は紅潮している

そこには少女ではなく、大人の女性の顔をした由梨がいた



ゆっくりとお互いの顔が近づき
今日何度目かのキスを交わす



ドキン…ドキン…と心臓が心地良く鳴るのを
目を閉じて由梨は感じていた




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