君に恋した冬
第16章 衝突
次の日の朝、いつも通り起きてから洗面所に行き
髪を梳いて、少し変わったことはコンタクトをつけ
アイロンでカールを作ること
ふわっと巻いた髪を横に一つに束ねてシュシュで括る
さっと簡単なメイクを済ませて家を出る
お洒落に目覚めるようになったのも
何もかもがアキラだった
あっという間に学校も終わってバイトの時間
恭介に会うのがどこか気恥ずかしくてソワソワした
バイト先に着いて休憩室に入ると恭介は既に働いており、コーヒー片手に携帯を見ながら休憩していた
こちらに気付いた恭介は、視線だけこちらに向けて
「おはよ」と小さく挨拶をしてからまた視線を携帯に落とした
『おはよう…』
由梨も小さく挨拶をして更衣室に逃げ込む
話は、バイトが終わってからでいいよね…?
条件反射のように恭介を見るとバクバクしてしまう心臓が少し苦しかった
その日も由梨はホール担当だった
しかも今この状況でなるべく距離を取りたいと思っていた恭介とペア
「これ、あがったから」
ドリンクの乗ったお盆を手渡され
受け取る拍子に目が合うとドキンと心臓が跳ねる
い…意識してるって、バレバレだよ、これじゃ…
「ふっ」
恭介はそんな由梨を見て意地悪な笑みを浮かべて颯爽と去っていった
だ、誰のせいで…!
真っ赤になった顔をなんとか冷ましたくて少し速めに歩いた