君に恋した冬
第16章 衝突
恭介は優しい
何も言わない
何も訊かずに寄り添ってくれる
時には本気で心配して色々訊かれる事もあるが
決して奥深くには、由梨の閉ざした領域には入ってこなかった
顔もかっこいい
性格も真面目で誠実で…
でもどことなく陰があるような
たまに寂しい目をする…
誰かと似ているような…
本当に申し分の無い人だと思う
私がアキラに出会っていなかったら
もちろん迷わず快諾したと思う
でも、私はアキラに出会ってしまったから
好きになってしまったから…
ごめんね、恭介…
あなたの気持ちには、応えられない…