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君に恋した冬

第19章 過去




あの山にいる間はずっと苦しかった


山小屋のロッキングチェアはお前のお気に入りだったんだ

お前はいつもそこに座って笑ってた


だから俺もそれが好きで…家にも同じ物を置いたんだ



山小屋で偶然見つけた家族写真を見て
お前は頭痛で苦しみだして…


やっぱり俺じゃ駄目なんだって思った



そんな時に、お前から好きだって言われて


すごく嬉しくて…本当はその手をとって
抱きしめたかった

俺も…愛してるって言いたかった



このまま何もなかったフリをして側に居られれば
本当に幸せになれるんじゃないかって…


でもそんな事は許されない…


わかってたんだ…


結局俺はお前を突き放して…また傷つけた…



恭とも再会してたってわかって…

恭がいるなら大丈夫だろうって…


その後、俺はわざとお前に嫌われる様に女を家に呼んだり合コンで見せつける様に違う女と話した


やっぱりお前はすごく傷ついた顔をしてて…


全部俺のせいで…お前を笑顔にしてやれなくて…



自分が手放したくなくて、お前を縛り付けたのに
やっぱり無理だって手放した…




自分勝手でごめんな…




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