君に恋した冬
第19章 過去
お前は俺の事なんて全然覚えてなくて
でも俺はそれが救いだった
自分の事だけ考えて…幸福に浸って…
でも、お前と居るときだけは心から笑えたんだ
そんな時に、大智が現れて
お前がDVを受けてる事にすぐ気付いた
すげぇ腹立って、怒りで手が震えて…
待ち合わせ場所に着いてもなかなか来ないから心配になって
本当は家まで行きたかった…
だけどまだ俺にはそこに近付く勇気は無くて…
自分勝手だけど、電話をかけたら大智が出た
その時にあいつは俺に
俺はお前を知ってる。
お前のした事も全部知ってる。
由梨は今までずっと俺が守ってきた。
お前が由梨の側に居ると、由梨はまた不幸になる。
由梨が本当に大事なら
頼むから目の前から消えてくれ
こう言ったんだ。
俺は…何も言い返せなかった。
でも、やっぱり大智は許せなくて
どうにかして助けたくて
だからすげぇ探しまくって、加奈子を見つけた
その後にお前の顔を見て
すげぇほっとした…
気付いたらどんどん離れられなくて…
けじめをつけようと思ってあの山にお前を連れて行った