君に恋した冬
第21章 家族
『…本当…に…?
私で…いいの?』
コクリとアキラは頷いた
『もう…離れたりしない…?』
「ああ」
嘘…夢みたい…
アキラと再会してたった1日でこんな展開…
アキラは自分の両親に向き直って深々と頭を下げた
「どうか、認めてくれませんか」
「おまえ…っ」
おじさんは尚も戸惑いが隠せない様子でアキラと由梨を交互に見ていた
『あの…私からも…お願いします』
二人でまた深々と頭を下げる
すると、今まで黙っていたおばさんが、涙を拭きながら真剣な表情で話しかけてくる
「晄…結婚ってそんなに簡単な事じゃないのよ。
ましてや子供までいるのなら尚更…
あなた、しっかり考えたの?」
アキラはゆっくりと頭を上げておばさんの目を見て話を聞いた
「ああ…わかってる。」
「いいえ。何もわかっていないわ。
いい?あなたが過去に冒した事は、決して許される事じゃない。
取り返しのつかない事なの。
今は二人とも愛し合って希望を持って生きているわ。
でも、その気持ちが落ち着いた時
例えば喧嘩になったとして、絶対にあなたが冒した事が由梨ちゃんや、晄、そして子供までも苦しめる。
それが必ず衝突の原因になる時が来る。
それでも一緒にいられる自信はあるの?
あなた、また逃げ出すんじゃないの?」