君に恋した冬
第21章 家族
おばさんの言ったことは最もだった。
だけどアキラはそれを一蹴して
「俺はもう逃げない。例えそうなったとしても、
俺は由梨と一生一緒に生きていく」
その言葉におばさんは
「…覚悟は、出来ているのね?」
「ああ」
ふぅと息をついておばさんはおじさんに
あなたもいいでしょ?と声をかけて
おじさんは黙って頷いた
そして2人は由梨に向き直って深々と頭を下げた
「由梨ちゃん…こんな息子だけど…よろしくね」
おじさん…おばさん…
認めてくれたんだ…!
『はいっ!こちらこそ、宜しくお願いします』
由梨もまた深々と頭を下げた
「晄を…許してくれてありがとう」
おばさんは涙ながらにそう呟いた
許した訳じゃない
そもそも許す許さないの次元じゃなくて…
私には記憶が無いから
何も無かったのと同じなの…
複雑だけど…それでもアキラと一緒に居たいから…
『また、来ますね』
にっこり笑って由梨はおばさんの手を握った