君に恋した冬
第22章 君に恋した冬
「静かにしろって言ったろ…」
唇をくっつけながら至近距離で目が合う
ダメだな…もう一緒に住んで一年経つけど
全然慣れない…
心臓がもたないよ…
「今日はお仕置きだな…」
また強引に唇を奪われる
アキラのお仕置きは、由梨にとっては甘い媚薬のようで
その快感に毎日溺れさせられていた
私ばっかりドキドキしっぱなしで…
アキラは私をちゃんと愛してくれているのかしら…
そう言えばちゃんと言われた事…ないかも!
『んんっ!!』
気づいた時にはドンっとアキラを突き飛ばしてしまっていた
案の定びっくりした表情で固まるアキラ
「…なに…どうした?」
『晄…私のこと、どう思ってる?』
恥ずかしくて…愛してる?なんて訊けない…
「なんだよそれ…。そんなのわかりきった事だろ?」
違う…
『…ちゃんと…言って貰った事…ないもの…』
「言わなくてもわかるだろ」
アキラはスッと立ち上がって
そっと由梨の肩を抱いた
「そんな理由で俺の事突き飛ばしたんだ?
いい度胸してんじゃん」
ニッと少年っぽく笑うアキラに無条件で心臓が音を立て始める
ダメ!また流されちゃう…!
『は、はぐらかさないで…っ』
「いいからもう黙れよ…」
結局その日ははぐらかされたまま
甘い夜をたっぷりと味わわされ
由梨は意識を手放してしまった