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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第2章 SideⅡ(沙絢(さあや))~デートの約束~

「当たり前だ。お前が死んだら、俺もここから飛び降りてやるからな。俺を死なせたくなかったら、お前も死ぬな」
「変な理屈」
 くすくすと笑いながら、沙絢は甘えるように男の胸に顔を押しつけた。男の着ているセーターからはかすかにメンソールとミントが混ざり合った匂いがする。深く吸い込むと、心が落ち着いていくような清々しい香りだ。
 けれど。彼が次に口にした言葉は、更に沙絢を脅かせるには十分過ぎた。

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