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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第1章 SideⅠ(光樹(みつき))~あたし、明日、死ぬんだ~

 またしても、保護者のような口調だ。大体、そういう自分が高校中退の癖に、よくもそんな科白が言えるものだと我ながら呆れる。
―ねえ、お兄さん。
 呼びかけて、彼女が小さく含み笑う。
―お兄さんで良いよね? 私より年上でしょ。
―ああ、俺は二十二だからな。
 何を呑気な会話を交わしてるんだ、俺は。

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