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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第4章 SideⅣ(沙絢)~雪の女王~

 父が余命幾ばくもない死病に取りつかれていると判ったのは今年になったばかりのことだ。父はまだ三十六歳の働き盛りだったから、誰も―父自身すら、そんな病気にかかるとは想像だにしていなかった。疲れからくる単なる体調不良だと思っている中に、病気は進行し、病院で検査を受けたときには手遅れだった。

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