テキストサイズ

さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第4章 SideⅣ(沙絢)~雪の女王~

 明け方、まだ夜の余韻を漂わせる室内には薄蒼い光が満ちている。右脚の痛みは昨日より更に酷くなっていた。沙絢は痛む脚を庇い、立ち上がると、ゆっくりと歩き窓辺に佇む。そっとパステルピンクのカーテンを開けると、ようよう明るくなり始めた外の世界が見え、気の早い雀の鳴き声がどこからか聞こえている。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ