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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第4章 SideⅣ(沙絢)~雪の女王~

「―大丈夫?」
 光樹は真冬だというのに薄い夜具に頭から潜り込んでいる。室内には小さな電気ストーブが一台、あるきりだ。枕許に座って声をかけると、一瞬、ピクリと布団の山が動いたように見えた。
「勤務先の工場の方に行ったら、お休みだと聞いたから、ここを教えて貰ったの。前触れもなく押しかけるのもどうかと思ったけど、様子も気になるし確かめたいこともあったから」

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