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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第4章 SideⅣ(沙絢)~雪の女王~

 言うだけ言ってしまうと、後は重たい沈黙が余計にその場の張りつめた緊張感を強調するだけだ。少し待っても、光樹が何も言わないので、沙絢は小さな溜息をついて立ち上がった。
「今日はこれで失礼するね。お粥を作ってきたから、食べられるようなら食べて」
 ここに来る前、沙絢はひとまず自宅に戻り、お粥を作ってきた。冷めないようにと父が通勤のお弁当用に使っていた保温ジャーにお粥を詰めて持参したのだ。

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