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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第4章 SideⅣ(沙絢)~雪の女王~

「光樹、いるの?」
 若い女の声だった。沙絢は現実に引き戻され、慌てて背後を振り返った。
「みっちゃーん。いないのなら、勝手に入るわよ」
 その場にはそぐわない明るい声と共に現れたのは二十代半ばほどの美人であった。バーバリーのコートを粋に着こなしている。白皙の美貌はどこかで見た気もするが、はっきりとは思い出せない。

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