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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第5章 SideⅤ(光樹)~誤解~

「参ったな」
 光樹はぼやきながらも、言われるままにコーヒーを淹れに流し台に向かった。部屋の隅に簡単な煮炊きができる板場スペースがあるので、そこを台所に使っている。
「何だかんだって親父の悪口言っても、三人いる姉弟(きようだい)の中では、あんたがいちばん親父に似てるんだから」
 聞こえるとまずいので、光樹は聞こえないように小声で毒づいた。

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