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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第6章 SideⅥ(沙絢)~恋人たちの聖夜~

 今度は光樹は跪かなかった。その代わりに、ジャンパーのポケットから縦長の箱を取り出して、そっと開いた。
「まだ安物しか買えなかったけどさ。もっとたくさん儲かるようになったら、お前の眼が飛び出るような大きなダイヤを買ってやる」
 それまで待っててくれ。
 光樹が囁き、沙絢に差し出した長方形の箱には夜目でもきらきらと輝く小さな雫型のダイヤがついたネックレスだった。
 彼が沙絢の背後に回った。

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