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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第6章 SideⅥ(沙絢)~恋人たちの聖夜~

 ほんのわずかな躊躇いを見せてから、沙絢は思い切って言った。光樹からのプロポーズを受けるなら、やはり、心の中にあるわだかまりは解消しておいた方が良い。
 たとえ、それがどんなささやかなものすぎなくても。長い生涯を共に過ごすのだ。隠し事や秘密が二人の関係に将来的に翳りを落とす因にもなりかねないのだから。
「一つだけ訊いても良い?」
「ん?」
 光樹が沙絢を見た。

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