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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第6章 SideⅥ(沙絢)~恋人たちの聖夜~

 あの美人を見た時、初対面のはずなのに、どこかで逢ったはずだと思ってしまったのは、彼女が光樹に似ていたからなのだ。改めて眼前の彼を見つめると、確かにあの姉だという美女と面立ちは似ている。
 沙絢の視線に気づいたのか、光樹が少し眩しげに眼を細めた。
「でも、俺は嬉しい」
「え?」
 意味が判らず問い返した沙絢に、彼は今まででいちばん優しい笑みをくれた。

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