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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第6章 SideⅥ(沙絢)~恋人たちの聖夜~

「お前が嫉妬してくれて」
「―!」
 否定しようにも紛れもない事実なので、沙絢は絶句してしまった。
「真面目な顔をして何を言うかと思ったら。私は嫉妬なんかしてません!」
 ややあって、そう返すのが精一杯だったが、光樹は本音をお見通しといった顔で笑っている。それでも、自分が嫉妬するのが嬉しいと真顔で言う彼をこうして見ていられるのも悪くはない気分だ。何だか、くすぐったい。

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