テキストサイズ

さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第6章 SideⅥ(沙絢)~恋人たちの聖夜~

「中でも忘れられない出来事がある。一年前くらいかな。あるお年寄りに孫を騙って電話をかけたんだ」
 光樹の声が次第に虚ろになってゆく。彼は一連の経過をかいつまんで話した。
 彼が金をだまし取った老婦人が真実を知って騙されたと知り、ショックで寝込んだこと。更に、そのまま二ヶ月後に亡くなってしまったこと。
 彼の顔は苦渋に満ちていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ