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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第6章 SideⅥ(沙絢)~恋人たちの聖夜~

 光樹が表情を引き締めた。
「俺の話も一つだけ聞いてくれるか?」
「もちろんよ」
 これまでになく真剣な瞳で見つめられ、沙絢は思わず頷いていた。
「いつかも話したように、俺はここ二年ほどの間、到底、感心できないことばかりしてきた」
 沙絢は黙って彼の話に耳を傾ける。多分、彼が言おうとしているのは〝オレオレ詐欺〟のことに違いなかった。

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