さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~
第1章 SideⅠ(光樹(みつき))~あたし、明日、死ぬんだ~
なおも言おうとしたユリをそっと後ろに押しやり、光樹は一歩靖に近づいた。
「俺はもう組織から抜ける」
「なっ」
靖の顔色が完全に変わった。
「俺はこれまで、さんざんな目に遭ってきた。陰湿な想像を絶するような苛めにあい、自分の父親からも見放されたような男だ。だけど、お前たちだって、そんな連中と何ら変わらないだろ。弱い立場の年寄りを騙して大金を巻き上げることのどこが違うんだ? 俺らのやってることが卑劣といえないとでも?」
「俺はもう組織から抜ける」
「なっ」
靖の顔色が完全に変わった。
「俺はこれまで、さんざんな目に遭ってきた。陰湿な想像を絶するような苛めにあい、自分の父親からも見放されたような男だ。だけど、お前たちだって、そんな連中と何ら変わらないだろ。弱い立場の年寄りを騙して大金を巻き上げることのどこが違うんだ? 俺らのやってることが卑劣といえないとでも?」