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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第2章 SideⅡ(沙絢(さあや))~デートの約束~

 まるで体格差がある二人だから、力も所詮は敵いっこないのは判っている。それなのに、沙絢はこの男をまったく怖いとは感じない。
「本当だ、お前は大馬鹿だ」
 男が沙絢の黒髪に顎を埋めているせいで、声が少しくぐもっている。
「俺が馬鹿だと言っているのは、お前が知らずに助けを求めていたことじゃない。大切な生命をみすみす無駄にするような愚かなことを考えたからだぞ」
「お兄さん」

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