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貴方の気持ちが、分からない。

第1章 始まりは、ここから。

トコトコと、誰も通らない廊下を歩く。


まだ少し寒い廊下は、ひんやりしていて、余計に寂しさが増す。



コンコン、ガラガラッと、ドアを引いた。

「お弁当、持ってきました。」


「ホント、毎日ありがと。」

「センセイが作れって言ったんじゃないですか…」

「だって、萩野のご飯美味しそうだから。」


椅子を引いて“座る?”と、目で問われる。

「一緒に食べる子は?」

「そんなの、いないって知ってるくせに。」



「俺がいんじゃん。」

……

ホント、私には、センセイの気持ちが分からない。

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