テキストサイズ

Sincerely

第7章 8月の長い夜

あの、嘘をついた日から、
またわたしは日常に戻った。

でも、無理やり忘れようと思って生活している事に、自分でも気づいていた。

ヒロヤへ連絡は自分からはしないって決めた。

これはヒロヤ達夫婦の為であり、
わたしの為でもあった。

ヒロヤからもしばらく連絡はない。

多分、マサミさんに気づかれたから自重してるんだと思う。


このまま、ヒロヤとの関係が自然消滅してしまえば。

きっとそれが一番、

幸せなんじゃないかな───


繋がった瞬間だけは、確かに両想いだった。

それだけを思い出にしてしまえれば。


わたしも楽だろうな……

ストーリーメニュー

TOPTOPへ