残業・メモ子
第31章 迂回
「………はい…?」
藤原さんの…透き通る声…
影男かもしれない彼に…
私は…声をかけた…
『あの…藤原さん……?』
藤原さんは、スマホから目線を外し…私を見た…
綺麗な…人間…怖いくらい…真っすぐな…目…
「…はい…藤原ですが…」
藤原さんは、冷めた感じで答える…
私は、ポケットから…
メモ帳を取り出した
『……この…メモ帳…ですが…。見覚えありますか?』
私は…目線だけの藤原さんの目の前に…メモ帳を差し出した…
『……見覚え…ありませんか?』
「――――――…君が…
―――――メモ子さん…?」
私は…息が出来なくなった…