残業・メモ子
第34章 受信
「ね〜…何、ソワソワしてんの?」
気がつかれたか…面倒臭い男だ……
『…藤原さんは、みんなにジロジロ見られて…嫌じゃないんですか?』
藤原は、クククっと笑うと…
「別に?」と…答えた……
「多分、俺と君が不釣り合いだって思うから…みんなジロジロ見るんだよ!
ほら!!!眼鏡取って、髪アップにして!猫背やめてみな?」
藤原は、私の眼鏡を取ると…指でクイクイっと「やれ!」的な動作をした
カチンと来たが…“不釣り合い”発言もカチンと来ていた!
私は、コートを脱ぎ、ソファに置き…髪をアップにし…猫背をやめた…
すると…他の客は、私と藤原を見比べ…納得…的な感じで見なくなった
「ね?釣り合う二人なら…目の保養を一回したら…もう見ないんだよ…人ってさ」
……確かに……
ジロジロ感が…なくなった…
「腹へった〜…何にしようかな!」
藤原は、メニューに目を落とし選ぶ……
『……私…藤原さんみたいに…美形じゃ…ないです』
「…ご謙遜を…」