残業・メモ子
第47章 静息
クスッ…
「…よかっか…」
大島は、真剣な眼差しから…安心したように…笑って…
私を…抱きしめた――――…
「…“嬉しいのに”って……
めちゃくちゃ嬉しい…ありがとう…
俺達…ゆっくりでいいよね…
芽依子さんの男性に対してのトラウマとか…
俺の、不全に関しての…改善度合いとか……」
ふと……“興奮した”と言う割には…大島の態度は…観察中…変化はなかった…
まだ……リアルアクションでは……反応のコントロールが出来ないのかもしれない…
私は、大島の背中に手を回し…ギュッ―――――…と抱きしめかえした…
私たちは…似ていいる…
出会えたからと言って…
都合よく…状況が良くなる訳ではない…
ゆっくり…ゆっくり…
脳や体に……覚えさせなくては…
『……ありがとう…』
……嬉しいのに……
―――――――まだ…
震えている――――――…