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残業・メモ子

第64章 熱唇

ああああ……


優しくしない…なんて…



嘘……




強くて…意地悪で……優しい…




キス――――――…




大島とは……全然違う…



私を求める…キス…





私を…必要と…もがく…キス…




「メ…イ…コ……ん…」



唇を…アマガミしつつ…囁く…私の名前………





ああああ…


涙が―――――――――…



出る――――――――…






「…芽依子……?」



互いの唇が…離れ…ギリギリで触れている…距離…





体の芯から…熱くなる…



唇は…その倍熱い……



こんな…感覚には…大島の時には…ならなかった……


あの…安心できる…感じじゃない―――――…







『……こんなキス…知らない…


大島さん……と……違う…
こんな…感覚……違う…』





私は……熱く…クラクラする…感覚に戸惑い…


涙を流していた………







「…芽依子…………



悪かった……泣くくらい…

嫌だったか―――――…


―――…忘れろ…今の……



邪魔したな………帰る…―」





藤原は…私の涙を…指で…拭き……




立ち上がり……玄関に…向かう…





え……違う……






嫌―――――…じゃない…




嫌じゃなかった――――…




でも…解らない……






この…涙の……理由が…





「…じゃあ……おやすみ」







藤原は……振り返らず……




出て行った――――――…





私は…酔って…熱くなった体を………



そのまま…床に……倒れさせた……



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