近くて甘い
第55章 淡い恋の終わり
「不意打ちやめろって…」
「え…?」
「好きだ」
溢れてしまって止まらない想いをぶつけた浩平は、そのまま腕の力を強くする。
驚いたように目を見開いていた愛花は、しばらくすると、フフッと笑って、自身も応えるように腕を回して力を入れた。
ストレートで飾らない、
そんな浩平くんの言葉が…
浩平くんのことが
大好き…
「私も…」
「いや、ちょっと待てって、これ以上なんか言われたら俺の心臓おかしくなるから」
「そんな…」
少し身体を離して、困った顔を見せてきた浩平を、愛花は見上げる。
私だって気持ち伝えたいのに…
「今度さ…うちに来ない?」
っ…そ、それって…
「いっ、いや!待って!ちげぇーよ!?」
突然の誘いに愛花の身体が膠着するのを感じた浩平は再び真っ赤になって愛花から身体を離した。