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信じていないわけではない。


かといって、加奈子は要の中で自分が真希よりも勝っているだなんてことも思わなかった。



「………やっぱり…真希ちゃんが他の人と結婚するなんて…複雑な気持ちが…まだありますよね…」



堪えきれずに俯き加減でそんなことを言った加奈子に、要は微かに眉を上げた。



少し相手の気持ちを考えずに言葉を発してしまったかもしれない…



「……ごめん、不安にさせるようなことを言ってしまったね…」


「あっ…いえっ…そんなっ…」



「確かに複雑だと、思ったよ…」





はっきりした要の言葉に、加奈子は胸が痛むのを感じた。



分かっていても、それでもやはり、はっきりと言われてしまうのは悲しいものだ。




「でも、今はそんなことないよ」


「え…？」



「単純に、あの二人が一緒になる事は嬉しい…。
どうしてだろうね、ずっと、二人のことを考えると胸に何かがつっかえるような感覚があったんだけれど…」



そう言いながら、要は加奈子のことを見つめてニッコリと微笑んだ。




「……今、自分が幸せだからかな……複雑だなんて思わないし、胸のつっかえもなくなったよ」



「っ……」




あまりに甘い言葉に、加奈子は何も言えないまま要から目をそらした。