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近くて甘い

第59章 運命の悪戯


「とぼけるのはやめてください…」


「だから、なんの話だっ…」



眉間に皺を寄せる光瑠さんに要さんはズンズンと詰め寄る。




「真希さんの進学に反対なのは分かっていましたが、こんな手を使うとは…」



「っ…はぁ!?」



「えっ…」




要さんの言葉に、後から入ってきた梨子と亮くんが目を丸くしていた。





「ふっ、ふざけたことをいうなっ…いくらなんでもそんなことを操作できる訳がないだろうっ…」




操作って…っ…



恥ずかしくなって、私はギュッと布団を握って俯いた。




「では、何故真希さんは妊娠なさったんですか…。
何でもこなすあなたが避妊に失敗したとも思えませんし…」



「せ、関根さんっ…」



要さんの発言に驚いたからか、酒田さんが慌てて要さんの名前を呼んだ。




「っ……黙れ!俺がそんな真希の進学を妨害するために真希を妊娠させる訳がないだろうが!」



「はっ…どうだか…」




も、もう恥ずかしいから二人ともやめてっ…



そう言おうと顔を上げると、今度は唇をワナワナさせた光瑠さんが、要さんの方に詰め寄っていくのを見て、私は思わず息を飲んだ。


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