近くて甘い
第60章 卒業と、それから…
「ど、どうして…」
「なんだ突然っ…」
唖然とする二人を見て、サプライズを成功させたみんなが顔を見合わせて微笑む。
「まっきー本当にすぐ会えたね!」
「亮くん…」
「本当、亮と浩平の演技が下手すぎてバレんじゃないかってハラハラしたよ…」
「ひでぇなぁ…」
クスクスと笑うみんなの前でまだ状況を飲み込めない二人は立ち竦む。
そんな二人に、要と加奈子が近付いた。
「───社長…」
「……なんだ、これは…」
気の抜けた光瑠の言葉に、フッと笑った要は光瑠の肩を掴む。
それと同時に、真希の周りには加奈子、愛花、梨子が集まる。
「これだけで驚かれては困りますよ」
「は?」
「え?」
首を傾げる二人に要はニヤリと企みの笑顔を見せる──…
「……社長はこちらです」
「なっ…ど、どういうことだっ…」
「じゃあ、真希さんは頼むよ」
要は女性陣にそう言ってウィンクをすると、女性陣はニコニコして、真希の手を取った。
「あ、あの…」
困惑する二人を満足気に見つめたみんなは、そのまま自身の持ち場へせかせかと散らばっていった。